話題の“16時間ファスティング”って? 老化との関係は? 宇賀なつみが内科医とトーク

話題の“16時間ファスティング”って? 老化との関係は? 宇賀なつみが内科医とトーク

健康と美をテーマにした東京都新宿区のホテル「ファーストキャビン市ヶ谷」が2月17日にリニューアルオープン。その前日にメディア向けの内覧会が開かれました。

内覧会には、ファーストキャビンの公式アンバサダーを務めるフリーアナウンサーの宇賀なつみさんをはじめ、『「空腹」こそ最強のクスリ』の著者で、ファーストキャビンエイチディの専属アドバイザーを務めている「あおき内科 さいたま糖尿病クリニック」(さいたま市見沼区)の院長で医師の青木厚さんらが登場し、話題の「16時間断食(ファスティング)」について語りました。

ファスティングすることで体に起こる変化

青木厚医師(以下、青木):40歳のときに舌がんを患ったんですけども、当時は落ち込みました。40歳の若さで舌がんになってしまい、この先ほかのがんになったり、まだ子供も小さかったのでどうしたらいいんだろうと思いました。振り返れば、当時は毎月のように風邪をひいていました。免疫力が弱いなと思って。舌がんを患っていろいろ医学論文を読みあさって、ファスティングが良いのかなと思いました。ファスティングはドイツやロシアでは保険適用で正式な医療行為です。

宇賀なつみさん(以下、宇賀):食べないことで体にどのような変化が起きるのでしょうか?

青木:ファスティングの何が良いかと言うと、「空腹の時間を作って、内臓を休息させる」ことによって、「腸内環境を良くする」ことができます。

宇賀:休ませてあげたほうが良いのですね。

青木:はい。内臓を休ませて腸内環境を良くすることによって、腸内細菌の種類や数が増えていきます。これがファスティングの本質です。

オートファジーって何? 老化との関係は?

宇賀:「オートファジー」という言葉もよく聞くのですが。オートファジーとはどういう意味なのでしょうか。

青木:ファスティングのひとつの効能です。空腹の時間をつくると食後10時間ぐらいで脂肪燃焼が開始し、内臓脂肪が減少します。そして、16時間ぐらいたつとオートファジーが活性化していきます。

宇賀:オートファジーが活性化するというのは、どういう状態なのですか?

青木:オートファジーというのは、細胞を内側から新しく作る仕組みです。オートファジーは本来も働いているのですが、空腹時により活発化します。私たちの食生活は1日3食とっていると、糖質をエネルギー源とするブドウ糖代謝になります。食後10時間ぐらいたってお腹の脂肪が燃えてくると、中性脂肪などを分解してエネルギーにするケトン体体質に変わってきます。この体質改善が、私が目標としている“がんの予防”につながります。

残念ながら人間は皆、老化していきますが、老化の原因は細胞内のミトコンドリアが古くなってくるということ。ミトコンドリアが古くなると活性酸素が増加します。

宇賀:活性酸素と聞くと、シミやくすみが関係してきますよね。

青木:活性酸素は一番の老化の原因と言われています。若さや美しさを保つためには、オートファジー効果で活性酸素を抑えることと、ファスティングによって、腸内環境を改善し便秘や肌荒れ、アレルギー性疾患の症状を改善していこうというものです。

宇賀:便秘や肌荒れにも効いていくんですね。

青木:腸内環境が良くなっていくので、最初に便通が良くなる。腸内環境が良くなることで便秘が解消されます。

宇賀:食事をするとよく眠くなってしまうのですが。食べ過ぎているということですかね。

青木:食べ過ぎている可能性があります。1日3食にすると内臓が休むことができず疲弊してしまうかもしれません。食べるだけで疲れたり、眠くなったりする人もいると思います。

宇賀:私たちは1日3食と思い込んでいる部分もありますよね。大人だと必ずしもそうではないということでしょうか。

青木:そうですね。お子さんには臨床試験があまり行われていないので、お子さんには推奨できませんが、大人に関しては、1日の中で食べない時間を長く続ける「間欠的断絶」の臨床体験がいろいろ行われているので、とても効果的かと思います。

宇賀:知らない間に食べ過ぎて負担をかけてしまっているのかもしれませんね。

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美肌、美髪のためにも胃腸を休ませる

青木:そういうことですよね。繰り返しになりますが、胃腸に負担を与えると肌や髪にも悪影響を及ぼします。

宇賀:髪にもですか。

青木:髪にもですね。ファスティングの本質は空腹の時間を長くする。消化管を休めることで、消化管のバリア機能を高める。空腹の時間をつくることで、腸内細菌の数や種類が増えて、環境が良くなる。腸内細菌は、食物繊維を分解して、炭素脂肪酸がお腹の中にたくさんできることで、消化管のバリア機能になる。食事を吸収、分解するときになど、腐敗したものが出てくる。腸内環境を良くすることは食後の内毒素血症を減少させることによって、お肌はもとより、全身の炎症を抑制することや肥満の解消にもつながります。

宇賀:ダイエット、美容、健康のためにも胃腸を休ませたほうが良いということですね。

青木:健康のためにも空腹の時間を作ることは、大切です。

宇賀:ファスティングをすると筋肉の量に変化はありますか。

青木:残念ながら、ファスティングをすると筋肉も減ってしまいます。食事をするとブドウ糖とか肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンをまず使って、細胞がブドウ糖から栄養を取り入れてしまう。ブドウ糖がなくなると、細胞はブドウ糖の代わりに栄養を取り入れようとします。脂肪由来のケトン体であれば、筋肉は減らないのですが、そこまでうまくいかない。脂肪が減ると筋肉も減ります。

宇賀:ということは、何かしら筋肉を動かす運動が必要になるということですね。

青木:筋トレは脂肪を分解されないためにも必要です。

ファスティング中はナッツやスムージーを…お酒も蒸留酒ならOK

青木:ファスティングはおなかが減ってイライラするものなので、そうしたらナッツを食べましょう。ナッツはスーパーフードだと思います。タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが豊富に入っているんです。ナッツが苦手な方は、スムージーやチーズなどで対応してもらえれば良いと思います。

宇賀:アルコールも飲んで良いのでしょうか?

青木:ウイスキーや焼酎といった蒸留酒はゼロキロカロリーなので、飲んで平気です。ただし、空腹時の飲酒なので、酔っぱらいます。

宇賀:アルコールも良いと聞くと、私にも何だかできそうな気がします。

青木:アルコールを飲んで酔っぱらって寝てもらってもいいんです。

ファスティングで朝食は抜いてもいいの?

視聴者からの質問:朝食を抜くのに抵抗があるのですが、朝食を抜いても大丈夫なのでしょうか?

青木:朝食は抜かず、しっかり朝食を食べてください。人間の体内時計を考慮すると、朝食を一番しっかり食べて、昼食はまずまずの量、そして夕食は少量または抜くことが、健康そして美容のために最も効果的な方法です。そのため、ファーストキャビン市ヶ谷では夜ファスティングを推奨しております。

朝食にスムージーのみしか提供していないのは、より強度なファスティングを求めているお客さまもいることへの配慮です。しかし、どうしても夜遅くに食べてしまう人は、16時間の空腹時間を確保するために、朝食を抜いてみてください。

青木医師が監修した「ファーストファスティング」プランも

ファーストキャビン市ヶ谷は、ファーストキャビンエイチディが直営化し、「ファーストキャビンTKP市ヶ谷」から名前を改め、2月17日にリニューアルオープン。青木医師の16時間断食を実践できる宿泊プラン「ファーストファスティング」や、ナッツバー、スムージー、「ファスティング用リゾット」といった「レスキューフード」も用意されています。その他にも、リフレッシュ効果のある大浴場を備えており、4万冊超の漫画や雑誌を読める「読み放題オンラインサービス」も導入されています。

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